子宮頸がんの予防 〜二次予防:定期検診〜

2年に1回は検診を

子宮頸がんの予防には定期的な検診を受けることが大切です。
子宮頸がんは発がんの過程が明確で、検診によりヒト・パピローマウイルス(HPV)感染から”がん化”する前の異形成(いけいせい)という状態を発見することが可能です。HPV感染から“がん化”するまでは5〜10年程度かかります。がん化する前の「前がん病変」期間が長いため、早期発見ができるのです。しかし、日本における検診受診率は諸外国と比べて低く、問題視されています。
がん検診の受診率は欧米では高いところで80%程度といわれていますが、日本ではわずか20%程度。妊娠した際に受ける検診を含めたとしても、若い方の検診率は依然低いのが現状です。

検査方法

1)細胞診

細胞診がん細胞は正常の細胞と異なった形や色合いをしています。がんの部分からこすりとった細胞や、がんから落ちてきたものをガラス板に塗り、色素で染めて顕微鏡で見ますと、がん細胞を見つけることができます。この診断法を細胞診と呼んでおり、がんを診断する各種の検査法の中でも非常に重要な方法です。

頸部がんは外子宮口の付近から発生することが多いので、この部分を綿棒またはヘラのようなものでこすって細胞診を行います。この方法は簡単で痛みもほとんどなく、大勢の人に短い時間で行えますので、集団検診ではこの方法だけを行うことが普通です。ただし、細胞診だけでがんを決定することはしません。なぜなら、がんでなくても、がんと紛らわしい細胞が出ることがあるからです。細胞診に異状があった場合は、次の検査を行います。

2)組織診

組織診疑わしい部分から組織をとり、標本をつくって顕微鏡で診断する方法を組織診と呼びます。子宮頸部の組織診の際は、ほとんど痛みもなく、出血も間もなく止まります。本診断は外来にて実施可能です。ただ採取する組織が小さいので、0期のがんか、それより進行したがんか、または0期にもなっていない状態かを鑑別するのが困難なことがあり、何回か組織診を行うこともあります。
ときには、「円錐切除術」と呼ばれる方法で組織診を行うこともあります。この場合は、入院する必要があります。

3)コルポ診

コルポスコープという拡大鏡のような機械で、子宮頸部粘膜表面を拡大して、細かい部分を観察する診断法をコルポ診と呼んでいます。組織診の組織を採取する際に欠かせません。

4)超音波(エコー)検査

CT、MRI検査超音波を体の表面にあて、臓器から返ってくる反射の様子を画像にする検査です。膣の中から超音波をあてて調べる場合もあります。子宮頸がんの性状を診たり、腫瘍と周囲の臓器との位置関係や他の臓器やリンパ節転移の有無を調べます。

5)CT、MRI検査

CT、MRI検査CTは、X線を使って体の内部を描き出し、治療前に転移や周辺の臓器へのがんの広がりを調べます。
MRIは磁気を使います。CTやMRIは、肺、肝臓など遠隔臓器への転移の有無、リンパ節転移の診断、周辺臓器への浸潤の程度の診断に威力を発揮します。造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがあります。アレルギーの経験のある方は医師に申し出てください。

出典(1〜5):国立がんセンターがん対策情報センター

6)HPV(DNA)検査

子宮頸がんの検査方法として、従来の細胞診検査に加わったのがHPV検査です。
これは子宮頸部より擦過し採取した細胞を使用し、HPVのDNA(遺伝子)を検査することで子宮頸がんの原因ウイルスである高リスク型HPVに感染していないかどうかを調べることができます。HPVには100種以上の型があり、子宮頸がんとの関連が強い高リスク型は16・18・31・33・35・39・45・51・52・56・58・59・68などがあり、日本においては16・18型がその60%を占めています。HPVの型を同定することにより感染しているHPVがハイリスクなのか比較的ローリスクなのかを知ることができ、細胞診と同時に検査することが可能です。
また、セルフチェック(自己採取)によるHPV検査キットなどもあり、郵送で検査結果を知ることができます。

HPV陰性の場合 子宮頸がんの危険性はほとんど無し
HPV陽性の場合 現在、病変が確認されていなくても、今後、中等度〜高度異形成になる可能性があります

※20歳代の女性がHPVのDNA検査を行っても高い割合でHPV陽性反応が出ます。これらは自然消滅する可能性が大きく、検査結果が活用されにくいため、30歳未満の方は「子宮頚部細胞診」を、30歳以上の方から「子宮頚部細胞診+HPV DNA検査」が推奨されています。