専門家に訊く

Vol.2 子宮頸がんの治療法

早期発見なら完全治癒も可能。その治療法とは?

教えてくれたのは・・・

熊本大学医学部附属病院 大竹秀幸先生

熊本大学医学部附属病院 - 婦人科

医師 大竹秀幸 先生

日本産婦人科専門医、婦人科腫瘍専門医(指導医)

熊本大学医学部附属病院について

■プロフィール

宮崎医科大学卒業。
産婦人科専門医、婦人科腫瘍専門医(指導医)として、日々治療にあたっている。

  • 日本産科婦人科学会(専門医)
  • 日本婦人科腫瘍学会専門医(指導医)
  • 日本癌治療学会              他

【専門科目】 婦人科腫瘍・病理学

Q.子宮頸がんとはどのような病気なのでしょうか?

子宮の出口(頸部)に発生する癌で、他の癌と違って20〜30歳代と若い方にも発症します。

Q.子宮がんと子宮頸がんの違いは何でしょうか?

「子宮がん」は子宮頸癌と、子宮体癌を併せた「子宮全体に発生する癌」を意味します。子宮体がんは赤ちゃんが宿る子宮体(子宮内膜)に発生する癌で、閉経期以降に好発します。

Q.何歳くらいの女性に多いのでしょうか?

最も発生率が高いのは30〜40歳代の方ですが、20〜30歳代と若い方にも発症します。

Q.HPV感染からがん化を防ぐ方法はありますか?

HPV(ヒト乳頭腫ウイルス)感染後から、子宮頸がん発生を防ぐ方法は現在のところ有りません。HPVに感染した女性のうち、子宮頸がんを発症するのは生涯で1〜2%程度ですので、感染が判明しても慌てる必要は全くありません。

Q.異変に気づいて来院される方はどのような症状が多いのでしょうか?

子宮頸がんの症状は、大半は帯下の増加や性交後や月経時以外に生じる「不正性器出血」です。上皮内癌や前癌病変である「異形成、CIN」では、通常は無症状です。

Q.早期に発見できれば完治することも可能なのでしょうか?

子宮頸がんは女性に生じる癌の中で完治が可能な癌の一つです。早期での発見であれば「生命」ではなく、「子宮の温存」の可否が問題となります。

Q.どのような治療法が一般的なのでしょうか?

前癌病変やごく初期の癌であれば、病巣を含めた子宮頸部の一部のみを切除する「円錐切除術」で完治が可能です。進行した癌であれば、拡大手術や放射線治療、抗ガン剤療法が選択枝となります。

Q.手術後、妊娠や出産は可能なのでしょうか?

子宮頸部の一部のみを切除する「円錐切除術」は子宮温存手術ですので、手術後も妊娠・出産可能です。

Q.子宮頸がんの生存率はどのくらいでしょうか?

初期癌(0期〜Ia1期)ではればほぼ100%です。進行癌であっても、比較的早期(Ia2期〜Ib期)であれば90%以上です。それ以上の進行癌の場合、その度合によって生存率は下がりますが、他の癌(大腸癌・肺癌など)にくらべると同じ進行期でも高い生存率が得られています。

Q.再発の可能性は高いのでしょうか?

初期癌(0期〜Ia1期)は、根治術が施行されたていれば現実的には再発はありません。しかし、「円錐切除術」の場合は、温存した子宮に数%の頻度で再発もしくは新たな病変が生じる場合があります。進行癌(1a2期以上)の場合は、進行の度合いによって再発の危険性が高くなります。

取材協力

熊本大学医学部附属病院 - 婦人科

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