子宮頸がんの治療法

4)病期(ステージ)別治療

上記の各種治療法は、がんの進行状況、すなわち「病期」により選択され、その他がんの大きさ、年齢、全身状態、将来の出産の希望の有無などを考慮して決定されます。なお、妊娠中の頸部がんの治療は、病期と妊娠月数との兼ね合いで遅らせることができるかもしれません。

0期

次のうちいずれかの治療が行われます。

  • 凍結療法
  • 高周波治療
  • レーザー治療
  • 円錐切除
  • 腹式・膣式子宮全摘

閉経後の婦人や、妊娠、出産の希望のない婦人に対しては原則として子宮を摘出します。

I期

がん細胞が正常組織にどのくらい深く浸潤しているかにより、次のうちいずれかの治療が行われます。

Ia期

  • 子宮全摘、両側付属器切除(通常、若い女性では卵巣を残します)
  • 円錐切除(将来、出産を希望する場合)
  • 準広汎または広汎子宮全摘出術(3〜5mmのより深い浸潤がある場合)
  • 腔内照射

Ib期

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)
  • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)と術後放射線治療

II期

次のうち、いずれかの治療が行われます。

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)
  • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)と術後放射線治療

III期

次のうち、いずれかの治療が行われます。

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 放射線治療と化学療法の併用による新しい臨床試験
  • リンパ節のサンプリングによる病期決定の外科臨床試験と外照射の併用

開腹手術をして転移が疑われるリンパ節を採取し、検査することを「サンプリング」といい、リンパ節とリンパ管を系統的にすべて切除することを「リンパ節郭清」といいます。リンパ節のサンプリングの結果、がんの転移が認められれば、その部分を含むよう放射線を照射する範囲を拡大します。

IV期

次のうち、いずれかの治療が行われます。

IVa期

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 骨盤内臓全摘術
  • 放射線と化学療法の併用
  • リンパ節のサンプリングによる病期決定の外科臨床試験と外照射の併用

IVb期

  • 疼痛など症状を軽減させるための放射線治療
  • 全身的化学療法

再発

再発とは、治療で完全に消えたようにみえてもわずかに残っていたがん細胞が増殖し大きくなって発見された状態です。骨盤内におこる局所再発と、肺や肝臓のような原発病巣から離れた遠隔臓器に転移する遠隔転移再発とに分けられ、それぞれ治療法も異なります。

(1)局所再発

以下のいずれかの治療が行われます。

  • 骨盤内臓全摘術
  • 放射線療法と化学療法の併用

(2)遠隔転移再発

病巣が孤立性であれば外科手術を、多臓器におよぶ再発や多発性の転移には化学療法が行われます。しかし、標準治療はなく再発部位に合わせ、一人一人に適切な治療を行います。

(3)対症療法

治癒させる目的ではなく、症状を軽減させる治療です。

生存率

生存率とは、診断から一定期間後に生存している確率を示す指標です。
全国がん(成人病)センター協議会加盟25施設の院内がん登録のデータから算出された5年相対生存率を以下に示します。

病期 症例数 5年相対生存率
I期 1,137 92.1%
II期 447 69.8%
III期 428 48.9%
IV期 151 17.2%

※このデータは、1997年から1999年の間に、子宮頸がんの治療のために、初めて入院して治療を受けられた患者さんが対象となっています。また、手術のみではなく、化学療法、放射線療法、その他の何らかの治療を受けられた患者さんが対象となっています。そのため、各施設で公表している手術を受けられた患者さんのみを対象とした生存率よりも低い値になっています。

出典: 国立がんセンターがん対策情報センター
日本産科婦人科学会/日本病理学会/日本医学放射線学会 編 
「子宮頸癌取扱い規約(第2版)」(金原出版)

高いところでは80%程度の検診受診率 世界各国の取組み