子宮頸がんの治療法

子宮頸がんには、外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の3つの治療法があります。がんの病期(ステージ)や年齢、合併症の有無など患者さんそれぞれの病状に応じて選択されます。

1)外科療法

早期子宮頸がんの治療として最も一般的なのは手術です。がんの広がりによって、術式が変わります。がんのある子宮頸部の組織を円錐状に切除する方法(円錐切除術)や、子宮を切除する単純子宮全摘出術、子宮と膣、基靭帯の一部を切除する準広汎子宮全摘出術や、子宮・膣の一部や基靭帯、さらにリンパ節を取り除く広汎子宮全摘出術などがあります。
将来、妊娠を希望する場合は、十分に担当医と話し合って納得した上で治療を受けましょう。

(1)早期がんに対する治療

治療は以下のうちのいずれかです。

  • 凍結療法:がん細胞を凍らせて殺します。
  • 高周波療法:高周波を用いて電磁波の熱でがん細胞を殺します。
  • レーザー治療:レーザー光線を用いがんを殺します。

(2)手術治療

外科手術は最も一般的で、医師は以下の術式のひとつを用いてがんをとり除きます。

円錐切除術

がんが見つかった子宮の頸部組織を円錐状の組織として切除します。円錐切除は生検組織をとる診断的意味の他に、早期がんでは治療的意味も含んでいます。

円錐切除術

単純子宮全摘出術

がんに侵された子宮を摘出する手術です。子宮が経膣的に摘出されれば膣式単純子宮全摘、腹壁を切開して行われれば腹式単純子宮全摘といいます。ときには、両側付属器切除術といい、卵巣・卵管も切除されます。

単純子宮全摘出術

広汎子宮全摘出術

患部を子宮と膣の一部を含め、骨盤壁近くから広い範囲で切除します。子宮頸がんに関連する所属リンパ節も同時に切除します(リンパ節郭清)。通常、リンパ節は小豆のようなかたちをしており、全身に存在します。そして感染と戦う細胞を産生したり、貯蔵したりしますが、がんの時には転移したり、他臓器への転移経路となるので取り除かなければなりません。

広汎子宮全摘出術

骨盤内臓全摘術

がんが子宮頸部ばかりでなく女性器外に拡がっていると、子宮・膣とともに下部結腸、直腸、膀胱をもとらなければなりません。これを骨盤内臓全摘術といいます。術後、人工肛門や回腸導管(回腸を用いて人工的に尿路を再建する)、造膣術など形成手術が必要となります。

手術後の不快な症状への対処

両側の卵巣を切除した場合、女性ホルモンの産生がなくなるために、いわゆる更年期症状のような不快な症状を認めたり膣からの分泌物が減少したりすることがあります。また、膣を切除することによる性交障害が起こることもあります。
子宮を含め広く切除したあとに排便や排尿に関する障害や、リンパ節郭清(かくせい)を行ったあとには足や外陰の浮腫(むくみ)が起こってきます。これらの症状の出る時期や強さ、期間には個人差があります。対応法については医師や看護師に相談したり先輩患者さんなどと情報交換することで、上手に適応することができます。

2)放射線療法

放射線治療にはがん細胞を殺し、腫瘍を縮小するためにX線や高エネルギー線が用いられます。放射線は体外から放射線を照射する外照射か、がん細胞の認められる領域に薄いプラスチックチューブを通し、放射線を出すラジオアイソトープを使用したプラスチックを入れて治療する腔内照射があります。放射線単独で治療する場合と、手術と併用して治療する場合があります。

放射線治療の副作用

副作用は、放射線が照射されている(された)部位に起こる皮膚炎・粘膜炎などや、照射部位によらず起こるだるさ、吐き気・嘔吐、食欲低下、白血球減少などがあります。
子宮頸がんの場合には、直腸炎や膀胱炎などが起こることがあります。治療が終了して数ヶ月〜数年たってから起こりうる症状(晩期合併症)もあります。患者さんによって副作用の程度は異なります。

3)化学療法

化学療法はがん細胞を殺すための抗がん剤を使用します。薬剤は経口的に投与されたり血管または筋肉注射として投与されます。抗がん剤は血流に入り全身をめぐり、子宮頸部を越えて拡がったがん細胞を殺すので全身療法と呼ばれています。

標準治療と臨床試験

病状に応じて、過去の治療成績に基づき、現在最も有効と認められている治療は「標準治療」と呼ばれています。一方、難治性の進行がんでは、標準治療を行っても、多くの場合満足できる結果をもたらすのは難しいことです。そのため、さまざまな新しい治療法が研究され、試みられています。新しい治療法は最新の情報をもとに、よりよい治療を目指して行われますが、必ずしも標準治療よりもよい結果をもたらすとは限りません。新しい治療法は担当医だけでなく、多くの専門家の認める理にかなった方法で、一定の管理のもとで行われる場合を「臨床試験」といいます。これから治療を受ける場合は標準治療を受けるのか、臨床試験中の新しい治療法を受けるのか、どちらかを選ぶことになります。

抗がん剤の副作用

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼします。特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、骨髄など新陳代謝の盛んな細胞が影響を受けやすく、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球や血小板の数が少なくなることもあります。その他吐き気や、心臓への影響として動悸や不整脈が、また肝臓や腎臓に障害がでることもあります。

現在では、抗がん剤の副作用による苦痛を軽くする方法が進んでいますし、副作用が著しい場合には治療薬の変更や治療の休止、中断などを検討することもあります。

経過観察

治療を行ったあとの体調確認のため、また再発の有無を確認するために定期的に通院します。再発の危険度が高いほど、頻繁に通院することになります。手術後2〜3年間は1〜3ヶ月ごと、その後は半年から1年ごとの通院が一般的です。触診、内診、直腸診、細胞診、場合によっては胸部X線検査、腫瘍マーカー、CT、MRIなどの検査を行います。

※腫瘍マーカーとは、体のどこかにがんが潜んでいると異常値を示す血液検査の項目です。進行がんでも異常値が認められない場合もあります。

診断や治療の方針

治療方法は、すべて担当医に任せたいという患者さんもいらっしゃいます。一方、自分の希望を伝えたうえで一緒に治療方法を選びたいという患者さんも増えています。どちらが正しいというわけではなく、患者さん自身が満足できる方法がいちばんです。
まずは、病状を詳しく把握しましょう。あなたの体をいちばんよく知っているのは担当医です。わからないことは、何でも質問してみましょう。診断を聞くときには病期(ステージ)を確認しましょう。
治療法は、病期によって異なります。医療者とうまくコミュニケーションをとりながら、自分に合った治療法であることを確認してください。
診断や治療法を十分に納得した上で、治療を始めましょう。

セカンドオピニオンとは?

担当医以外の医師の意見を聞くこともできます。これを「セカンドオピニオンを聞く」といいます。
ここでは以下の3つを聞くことができます。

  • 1:診断の確認
  • 2:治療方針の確認
  • 3:その他の治療方法の確認とその根拠

聞いてみたいと思ったら、「セカンドオピニオンを聞きたいので、紹介状やテデータをお願いします。」と担当医に伝えましょう。担当医との関係が悪くならないかと心配になるかもしれませんが、多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料をつくってくれるはずです。

出典: 国立がんセンターがん対策情報センター

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